「希望荘作品展2022」の審査講評
令和4年7月27日審査実施
新型コロナウイルス感染症の「第7波」襲来で、県内でも感染者が急増しています。恒例となっている「希望荘作品展2022」も、一時期は開催が危ぶまれましたが、希望荘事務局のご努力や、関係諸団体の皆様のご協力のお陰で、無事、実施にこぎ着けることができて喜ばしい限りです。
今年の作品展への応募は、個人の部に126人の方々から147点、団体の部が18団体でした。昨年の92人134点、13団体からすると大幅な増加となりました。個人の部では、展示スペースの関係で、1人2点までに制限させていただく結果となり、ご迷惑をおかけしました。また、応募時にコロナの影響が懸念されましたが、外出を控えた分、各事業所や自宅での創作活動に専念できたためか、内容的にも一層充実した作品が集まり、皆様方の熱意や積極性を強く感じました。
まず、個人の部について審査の経過と結果をご報告します。今年も絵画・写真・工芸・手芸等どの分野にも、鮮やかな色遣い、大胆な筆遣いや、個性的な力作が集まりました。審査の先生方からは「独創的な作品が多かった」「知的創作力に圧倒された」「写真の何気ない風景が大切に切り取られている」など、高い評価が相次いで出されました。
個人の部で最優秀賞を受賞された岩本 健兒(いわもと けんじ)さん、おめでとうございます。岩本さんの作品は、「阿弥陀如来と地蔵菩薩」の木彫仏像2体でした。過去に仏像の出品は少なく、「実に細やかで丁寧な仕上がりで、圧倒された」「素人の域を超えた作品」などと、審査の先生から声が上がりました。来年もより優れた作品の出品を心待ちにしております。また、優秀賞には15点が選ばれましたが、「コロナをなんとか切り抜けて(作品展を)盛り上げようという気持ちが伝わってきた」と、審査後に先生方から意見が寄せられていました。
次に、団体の部です。今回も各団体の特色が出た、楽しい作品群が並びました。最優秀賞は「平成学園」の作品「銀のコラージュ」に決まりました。2年連続の最優秀賞です。身近にある小物を板に張り付け、それを銀一色に塗り上げた作品でした。制作時に、参加者が力を合わせて仕上げた様子が十分にうかがえ、アドバイスした人のアイデアや工夫とともに高い評価を受けました。他の団体の出品作も、それぞれに優れた評価を得ていましたが、花火を扱った作品の「競演」もあり、個人的には「審査中での心安らぐひと時」となりました。最後になりましたが、審査の1週間前から会場の設営、作品の展示に尽くされた希望荘職員の方々にこの場を借りて感謝申し上げます。
来年も、皆様の創意工夫にあふれた素晴らしい作品をお待ちしています。
作品展審査会委員長(希望荘運営委員長)
川本浩右